B2 1000-1200/1030-1230系

車両の概要

 

名古屋本線東西直通40周年にあたる1988年に登場した、全車特別車の1000系「パノラマSuper」で以後、1997年までの9年間に合計で4両組成21本84両が落成している。

 

 

1000系についての更新改造点

 

上記の84両のうち、4両編成6本(24両)は1991年から1992年にかけて2両ずつに分割され、岐阜方の2両を豊橋向きに方向転換の上、新規製造の1200系4両と組み合わされ、一部特別車組成とした6両組成12本へと改組された。このとき2号車に車掌室、3号車にトイレがあるA編成とその逆で2号車にトイレ、3号車に車掌室があるB編成という2種類の編成ができた。

一部特別車編成はのちに中部国際空港アクセス輸送にも使われるようになったため、自動販売機を撤去し、そこと電話室の跡地に荷物置き場が設置された。また、組成変更時に床面がカーペット張りとなり、客室妻面の化粧版が白色系から濃ベージュへと変更された(現在全廃の1017F以降は当初から濃ベージュ)。他には座席のモケットや脱着枕、ヘッドレストカバー、日除けカーテンも登場時より変化している。

「全車特別車」編成は、名鉄の特急政策の見直し(2000系で運行される「ミュースカイ」を除く全ての特急の一部特別車化)により、2007年夏から廃車が始まり、順次5000系への機器流用が行われ、ダイヤ改正前日の2008年をもって全車が運用を離脱した。この全車特別車編成の廃車により岐阜方の展望席が消滅した。

 

2015年のプレリリースでパノラマsuper3編成をリニューアルすることを発表した。実施内容は客室内の改装、トイレの洋式化などで、車体の塗装パターンも変更される。リニューアル工事の最初の編成は1112Fで、2015年8月22日に舞木検査場で記念撮影会が行われた。

この改装で「パノラマsuper」の電照パネルが外され、ヘッドマーク部にはLED行先方向表示器が取り付けられたが、車両愛称自体は車内案内などで引き続き用いている。また、リニューアルを機に編成全体の総称を「1200系」とした。

 

1200系の更新改造点

 

1200系もまた2015年度以降のリニューアル工事によって外観、内装が大幅に変更されることになっている。外観は特別車側と同じく赤を基調としたデザインとなり、「パノラマsuper」の電照パネルも外されその箇所のみ白く塗装されている。車内は座席のモケットが2200系一般車などと同じ柄に変更されたほか、3号車豊橋方(特別車に隣接する区画)の転換クロスシート席を撤去して車椅子スペースを確保、その対面にB編成は3人掛け、A編成は2人掛けのロングシートをつけている。また、放送設備も自動化されている。A編成の3号車はトイレスペースを拡大した関係で豊橋方の窓が埋められ、客室長も短縮された。

 

 

1030系について

 

一部特別車特急の編成不足を補うため、1992年に廃車された7500系の走行用機器を一部使用して製造された車両である。6両編成4本(24両)が落成した。

 

1000系‐1200系とほぼ同一の車体で見分けることは難しいものの、屋根上のパンタグラフの設置車両やラジオアンテナの位置(1000系・1200系が2号車に対し3号車に設置されている)は異なる。

内装は1000系・1200系に準ずる。トイレ・洗面所、車掌室の設置位置は使い勝手の良さから1200系B編成に準じるため、車両番号は1100・1300番台となっている。

 

最終更新 2017.3.5

運行区間

 

1000-1200系A・B編成、1030-1230系

このタイプは一部特別車と呼ばれ、2015年現在は以下の線区で特急列車として運用されている。かつては一部特別車特急の運行線区が限られていたため、運用は長らく名古屋本線に限定されていたが、一部特別車特急の運行範囲拡大により2005年1月からは常滑線と空港線で、2007年6月からは犬山線・広見線・河和線・知多新線での運行が開始された。2008年6月からは西尾線でも朝夜に各1本運行されている。イベント時には各務原線にも入線することがある。

  • 名古屋本線・犬山線・西尾線系統の特急
    • 豊橋 - 岐阜・新鵜沼間
    • 西尾 - 名鉄名古屋駅 - 須ケ口(新安城より西尾線)間 - 1日1往復のみ。
  • 尾西線・津島線・河和線・知多新線系統の特急
    • 河和・内海 - 名古屋 - 佐屋

折り返しや送り込みの関係で急行、準急や普通として運用されることもあるが、特別車には乗車できない。なお、両者は共通運用とされる。現在でも事故などによりダイヤが乱れた際には、空港線に入線することもある。

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